みなさん♪ こんにちわ。
中国の胡錦濤国家主席が来日し、毎日のニュースには事欠かない昨今、
だからと言うわけではありませんが・・・
毒入りギョウザに始まった中国食品並びに
中国産の野菜、魚介類など等の沢山の食材や製品が輸入されていますが
果たして食の安全性について本当の実態は如何かと言うと・・・
そこで『中国在住特派員による 中国の食の安全性』をお送り致しましょう。
■最近書いた、環境問題がらみの記事への質問から、多くの読者が中国の食の安全問題に興味をもっているごようす。
自他ともにみとめる食いしん坊の私は、実は食の安全を気にするより、命けずってもおいしいものを口にいれてしまうタイプ。
ふぐのキモとかね。
しかし、やはり最近の中国の食の安全には警鐘を鳴らすべきだと思う。ちょうど本紙で連載していた「食の政治学」もおわったことだし、こんどは「食の安全学」というタイトルで、中国の食の現状を何回かにわけて紹介しよう。
■ちなみに、この「民以何食為天(民は何の食をもって天と為すぞ)」のタイトルなのだが、おそまきながら最近よんだ「民以何食為天〜中国食品安全現状調査〜」(中国工人出版社)からいただいている。
今年1月に出版されて、ずっと積ん読状態だったが読み始めると一気だった。
昔「中国農民調査」(邦訳は文芸春秋刊)という本が話題になったが、それと同じくドイツのユリシーズ国際報道文学賞(2006年)に受賞したドキュメンタリー文学だ。
■作者の周勍さんは、西安出身の口述史学家。
この口述史学家という存在に、私は今非常に注目している。
あらためて記事などでとりあげたいと思うが、かれらは厳しい報道・情報統制の中で、正史や公式報道には記されない、人々の記憶の中にある歴史、事件の形を口述によって浮かびあがらせる作業を公安の嫌がらせなどに耐えながらも、地道に続けている、
早い話がフリーランスのドキュメンタリー作家、ジャーナリストだ(映像、文章ともにあり)。
日本ではあまり紹介されないが、彼らの作品は、欧米では有名なドキュメンタリー賞や文学賞などとって、高く評価されているものもある。日本もこういう中国人ドキュメンタリストにもっと目を向けて、賞とか賞金とか出してほしいものだ。
■話がそれたが、同書は周さんが、2年にわたり食の生産現場をあるき、実態を調査した堂々たる調査報道。
食品製造のアンタッチャブルな裏社会にまで足を踏み込んでおり、外国人記者にはまねしようとしても、なかなかできない深さだ。
というわけで、このシリーズは、全面的に同書を参考にしている。(といっても翻訳じゃありません。版権とっていないからそれはできない)ところどころ引用もしながら、福島自身がみたりきいたりしたこともくわえて中国の食の恐ろしさにせまってみたい…。
■
7歳で女性≠ノ
50年後に広東人は子供を産めなくなる!?
恐怖の水産物■中国人は、街で知り合いに偶然でくわしたとき、「ごはん食べた?」というのが挨拶がわり、だ。民以食為天(民は食をもって天となす)という言葉があるように、食は中国人生活の根幹をなすもの。世界そのもの。
それは、中国の長い歴史の上で、飢餓というものが極めて身近にあり、腹をいっぱいするのが、日々の生活で最大の関心事だったからだ。
いなかにいって老人に話をきけば、今も飢餓の記憶を持つ人はまだいる。
福島イチオシの中国人作家、莫言さんは、なんで軍に入ったのか?との質問に、「餃子が毎日食べられるときいたから」と答え、好物は餃子、と今も迷いなく答えていた。
彼は大躍進による大飢饉のころ、餓えて石炭をかじったこともある、そうだ。
■その一方で、金持ちたちは美食を追求してきた。
これは中国の長い歴史で上で、体制の転覆というものが極めて身近にあり、今日の貴人が明日の罪人になることがしょっちゅうだからだ。
巨万の富を得ても、明日政権がかわれば没収される。だから金持ちたちは、財産を美味で栄養ある高価な食品にかえて自分の血と肉とすることに没頭した。
フカヒレアワビ、熊の手といった山海の珍味、究極的には人の胎盤、嬰児にいたるまで、(うまいかどうかは別にして)、健康になり長寿になる高価な食材を捜しもとめた。
■今の中国では、よほどの地方にいかないかぎり飢餓はみなくなったが、体制がいつ変動するか、自分の財産や地位やいつ突然失われるか、という危機感はかわっていない。
今の世の中、財産は海外に持ち出すか自分の腹の中におさめる以外、本当に守る方法はないのだ。
物権法できて、ちょっとましになるかはしらないけれど。
■そういう状況に加えて、中国の産児制限・一人っ子政策で、夫婦は原則一人の子供しかもてない。
もともと子供を宝宝、とよび過保護に育てる傾向のある中国人。
どんなに貧しくても、こどもには栄養のあるもの、おいしいものをたべさせようとする。その結果どういう事態がおきているか。周さんの報告をみてみよう。
■「筆者(周)はあるコネを通じて、北京の有名な産婦人科病院の女医を取材した。
ある午前、筆者がその病院の待合室で待っていると、30歳過ぎの女性が娘をつれて診察にきていた。
もし自分の目でみなかったら、その成熟した少女がわずか7歳半だといわれても信じられなかっただろう。
女医の説明によると、その少女はすでに月経があり、胸はピンポン球ほどの乳房があり、ふとももの脂肪の蓄積ぐあいなどから、十数歳の女性と同程度の性的発達をとげているという」。
■「その女医はさらに、こういった。早熟児童は北京ではもう珍しくない。6歳でひげが生えている男の子もいる。これはホルモン剤を含んだ児童食品のせいだ。この手の児童食品は子供が好む味付けがしてあるが、ホルモン剤の吸収率は児童の方が高いので、簡単に体内に蓄積し、早熟症を発症するのだ、と」
■「あと化学物質を含む水産物が、子供の早熟症をさらに強烈にしている。中国の女の子の初潮年齢は20年前は平均14歳前後だったが、今は10歳前後になった。
さらに、ある統計によれば、中国人の生殖能力は低くなっており、8組に1組の夫婦は不妊症だ、と」
■「筆者がさらに調査をすすめると、いわゆる滋養のある水産物が、児童に非常に深刻な影響を与えていることがわかった。
大人たちは、ウナギやスッポンをいわゆる滋養・精力増進のためにたべるだけでなく、これらを大枚をはたいて買って、子供たちの健康増進のためと思って、せっせと食べさせている。
しかし、この水産物に含まれるホルモン剤は、精力増進どころか、子孫断絶の危険性を含み、子供にたいしては、親切があだになるかっこうで、心身を深刻にむしばんでいるのだ」
■「筆者は広東、浙江、江西、陝西などの地域にいって驚くべき光景を目の当たりにしたことがある。
それは毎年年末、農民が魚の養殖池を清掃するときの光景だ。
池の底には泥だけでなく、シプロフロキサシン(抗菌剤)と避妊薬が分厚くたまっていた」
■「農民たちは魚やエビに、これら避妊薬などを大量にホルモン剤を加えたエサとともに与えていた。それは薬品が、伝染病予防になり、魚の成長を促進させる、一種の成長剤になるからだ。養殖地区の農民たちは、だいたい同じような話を私にしてくれた。自分で養殖している魚なんて、絶対自分では食べないよ、と。」
■周さんの報告によれば、これら避妊薬は一人っ子政策のために地元政府が無料で配るそうだ。
これを養殖用の成長促進剤に利用すれば、元手はただ、ということで、農村では通常に行われていることらしい。
■ちなみにスッポンを1キロくらいに大きくしようと思うと、ふつう2年はかかるが、北京の中流以下のレストランで出されるスッポンはだいたい3カ月で、そのくらいの大きさに成長させるそうだ。
レストラン業界のひとたちは、周さんにこういっている。「水産品は値段が高いものほど、たべちゃいけない。特にウナギとスッポンは絶対食べない」
■この児童の早熟症については、私もずいぶん前に紙面で紹介したことがある。
そのとき、WHO関係者から「本当なのか?WHOも注目しているので資料がほしい」といわれたことがある。
そのときは、私も北京地元紙の転電でしかなかったので、「事実かどうか確認はできないが、●●紙ではこう報道された」と答えるしかできなかった。
その直後、早熟症ではないが、知人の知り合いの子供が3歳になっても立てない、という話を聞いた。
知人いわく「母乳のかわりにコーラをのませていたんだって」。
私「はあ?なんで?」
知人「そりゃコーラの方が母乳より高価だからよ」
私「???」
知人「大事にそだてようと思ったんでしょうよ」
このほか、毎日、ソーセージ(値段は高いが添加物たっぷりのピンク色したヤツ)を食べさせていた子供が、立てず、話せず、寝たきり状態、という話も聞いた。(会いにいきたいな、と思いつつ、今もってこの子供たちには取材していない。環境とか食の安全というよりは、親の無知でしかないので、取材対象にしてしまうにはちょっとあわれ)。
■地方の農民が、都市に出稼ぎに出てきて現金収入を得るようになると、こんなとんちんかんな「ぜいたく」をするようになる。
昔貧しかった記憶がある人ほど、同じ感覚で、子供に高価なスッポンやらウナギを食べさせたがるのだろう。
こういう例を身近にきくと、食べもののせいで成長や身体の機能に障害をもつ子供が増えている話に、ウソはないと思う。
■さて、このホルモン剤汚染食品は、単に早熟症の問題だけにとどまらない。
■2004年暮れ、中国の新型肺炎対策で活躍した良心的な医師で知られる鍾南山・全人代代表が広州市全人代(地方議会)の討論の席上でこう警告した。「食品安全問題は日ごとに深刻になっており、50年後広東の大多数の人間は、生殖能力を失うだろう」。
■鍾医師がいうには「大腸癌、子宮頚癌、卵巣癌の発生率が急増中だ。これは食品に残留する農薬、添加物、防腐剤、成長促進剤などの過剰使用と大いに関係がある」
■「近年食品問題が突出してくるにつれ、男性の精子濃度は40年前、5000万から1億が通常だったのが、今は3000万がふつうになっている。今対策をとらねば、50年後、広東では多くの人が子供を産めなくなる」
■女性ホルモンは、避妊だとか更年期障害の治療に処方されることがあるが、これが女性生殖器系のがんの発生率と因果関係があることはかねてから指摘されている。
成人が、何らかの目的で、その副作用もきちんと理解して医師の処方に従って服用するならまだしも、そんなホルモン剤入り食品を食べ続けている子供たちの未来はいかに?うすら寒いものを感じないだろうか。
■一人っ子政策をとらなくても、人口抑制できるから、いいじゃないか、という問題ではない。
中国が目指す持続的発展を阻む大きなリスクが飽食の陰にかくれている。
そして、その状況は中国産食品に日常生活を頼るようになった日本人も無関心ではおれない。
注:今、日本に輸入されている中国産水産物はきっと大丈夫ですよね?「世界一厳しい検査体制」(by中国)で検疫済みだから。と、いちおう関係企業などに気をつかってみる。
福島香織の記事より
あぁぁ・・・、益々中国産の食材を買いたくなくなったよ。ホント!
今では、日本の加工食品でも原産地を確認してしまうものね。
それにしても 中国、恐るべし!じゃのぅ〜〜。。。